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医療介護総合確保推進法で何が変わる?

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医療介護総合確保推進法で何が変わる?

日本は2025年を迎えると、超高齢化・少子化社会となり、現在の社会保障制度が崩壊してしまうのではないかという危機にさらされています。

この2025年問題を回避するために制定されたのが「医療介護総合確保推進法」です。

具体的に医療介護総合確保推進法とはどういったもので、何が変わっていくのでしょうか?

■医療介護総合確保推進法とはどういったものなのか?

医療介護総合確保推進法とは、高齢化が進んでいく中で、社会保障制度をこれからも維持するために医療や介護の新体制や新しい税制支援制度の制定、地域包括ケアシステムの構築などを実施していく法律です。

正式には「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」という法律名とされています。

具体的な法律の内容を見てみましょう。まず新たな医療・介護における財源を確保するための基金を作り、医療と介護の連携を今まで以上に強化していくというものがあります。施設や設備を充実させ、人材育成にも力を入れることで人手不足などを解消し、十分な医療や介護サービスを受けられるようにしていきます。

しかしこれらの事業を行っていくためにはお金も必要となってくるため、消費税の増税分を財源にした基金を各都道府県に設置し、事業を推進させていくことが狙いです。

さらに、各地域において効率かつ効果的な医療を提供できるよう、現在の医療機能と今後の医療の方向性を報告する「病床機能報告制度」を2014年から始まっており、ここであげられた報告などを利用し、地域それぞれにあった地域医療のビジョンを策定していきます。

この他にも看護師の研修制度の新設や医療事故調査の仕組みの位置づけを決定します。さらに医療法人社団と医療法人財団を合併することで持ち分のない医療法人へ移行を促進させるための措置、さらに介護の人材確保に対する対策などの検討が事業内容として組み込まれている法律です。

■地域包括ケアシステムの構築も

医療介護総合確保推進法では、上記の他にも地域包括ケアシステムの構築と費用負担を公平化させる介護保険法と関連した事業も進められることになります。

地域包括ケアシステムの構築では、高齢者が自分の住み慣れた街で自分に合った生活を送ることができるように、介護の地域支援事業や在宅医療を充実させていくことで地域の包括ケアシステムを構築していくというものです。

具体的なポイントとしては、まず訪問介護や通所介護などの予防給付となる部分を地域支援事業に移し替えてさらに多様化させることが挙げられます。

さらに在宅だけではなく、施設においても在宅での生活が難しい中重度の要介護者をサポートする機能をさらに重点化し、被保険者が低所得者の場合は保険料の軽減を拡充するのが狙いです。

一方で所得がある利用者に関しては自己負担額を2割に引き上げるという内容となります。低所得者の負担が大きくなるのを懸念した結果、費用の公平化を重視する声が広がり、このように所得によって保険料に差が出ているのです。

■都道府県への予算は?

各都道府県は地域包括ケアシステムの構築と効率かつ質の高い医療提供体制の構築を急ぐことが求められる時代です。

そんな医療介護総合確保推進法の予算ですが、「地域医療介護総合確保基金」が創設されたため、平成27年度予算では医療が904億円、介護が724億円というように財源を確保しています。

今後私たちにとって消費税の増税分は、この医療介護総合確保推進法にあてられることとなるので、自治体には早急に医療・介護面の充実を図ってほしいものです。

私達のより良い暮らしのために、今後の動向にも注目していきましょう。

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