認知症の介護では「全部している」というイメージを持たれがちですが、全部するのではなく「できることはさせる」「できないことはサポートする」方がいいかもしれません。
■認知症=常に介護をするわけではない
認知症というと「常に介護をしている」イメージがありますが、常に介護をしているわけではありません。認知症のAさんという方を例にとって見てみましょう。
Aさんは昔から意欲的な性格でしたが、その性格は認知症になっても変わりませんでした。デイサービスでもスタッフに話しかけて積極的に作業のお手伝いをしていましたし、家事も介護者が「いいよ、やるよ」といってもやっていました。
家の掃除だけは気が進まなかったため、介護者がデイサービスに行っている間にするようにしましたが、他はすべてAさんがしていました。
認知症患者の中には「何もしない」という人もいますが、Aさんの場合は、手や体を家事で動かしていたこともあり、通常より進行スピードも遅かったようです。
■今出来ることをさせてあげる環境に
認知症になってもできることはたくさんあります。もちろん進行すれば寝たきりになりますが「体が動くうちは意欲的に生活したい」と思っている介護対象者が多いのも事実です。
今できることをさせてあげることで、このように進行を遅らせたり改善したりできますし、介護対象者のストレス解消にもなります。
ただ、例えば料理は「やけど」や「指を切る」危険性がありますし、草刈りも「足を間違って切る」「刈らなくていい草も刈る」かもしれません。介護対象者自身の安全が確保できるように、見守りは忘れないようにしましょう。
介護には「できないことをする」だけではなく「できることをさせてあげる」ことも含まれています。
■介護をする上で気をつけたいこと
他にも介護では気をつけた方が良い点がいくつかあります。特に認知症の場合、症状が進行するにつれて介護に対して抵抗的になったり、言葉や行動が攻撃的になったりします。
普通、そのようなときは否定したくなりますが、共感を示しましょう。
また、心身の健康管理にも気をつけてください。食事や排泄、睡眠などに気を払って、体調や気分の変化を観察しましょう。
高齢者は脱水症状が脳血管障害を引き起こすこともあるので、高齢者がいる家庭では注意してください。
高齢者が入浴するときは半身浴をさせるようにし、寒暖差に気を払い、さらに転倒しやすいところがないか確認しましょう。
リフォームで店頭を防げるケースも珍しくありませんので、資金面で余裕があるならおすすめします。
その他にも介護対象者がかかっている病気によって、注意点は違います。医師から説明を受けるようにし、正しい介護をしましょう。
■老後の気分転換にオススメなものとは
特に認知症患者の場合、働いていないことから時間があまっていることがほとんどだと思います。そんなときは気分転換として、新しい趣味をすすめるといいでしょう。
最近では「大人の塗絵」が流行している塗り絵。塗り絵にはストレスを癒やす「セラピー効果」や脳トレ効果があります。
また、昔から囲碁や将棋は家族団らんの道具として親しまれてきましたが、これも脳を活性化させてくれます。昔ボードゲームが好きだった人にどうでしょうか。
収入源を得たいのであれば、趣味の手芸などで作った作品をインターネットに出品してみましょう。
最近では個人でも売買できるプラットフォームがありますので、勧めてみてはいかがでしょうか?
介護対象者は決して何もできないわけではありません。糖尿病で併発している病気が何もない場合は、糖分に気をつければ仕事もできます。
介護対象者によってできること、できないことは違いますので、個々に配慮した介護をしましょう。